旗の台 マロニエ洋菓子店
ファインディング昭和ということで、何から書こうかなあーと迷っていましたが、これは、書きたいところが沢山だから。で、ご近所さんから始めることにしました。
旗の台は、東急池上線と大井町線がX字に交わるところ。最近は大井町線が溝ノ口まで伸びて、急行も運転されて、だんだん、東急沿線イメージ(自由が丘・二子玉川のイメージね)に近づくなか、旗の台は池上線沿線そのものの昭和な町です。
都心在住の方でも、池上線を知らない方は多いかもしれません。一番有名なのは戸越銀座でしょうか。Sozoの年代ならば、西島三重子の歌う1976年のヒット曲「池上線」をご存じかも。池上線 西島三重子
YOUTUBEを埋め込もうと思ったけど、うまくいかない(・・;)
そんな、旗の台に、ひっそりとマロニエ洋菓子店はあります。
ちなみに写真方向に進むと、中原街道。奥に見えている高い建物は、昭和大学病院です。
最初に言っておきますが、ここのケーキ、Sozoは大好きです。
世の中、美味しいケーキ屋は山ほどあって、というか、どこのケーキも美味しいですよね。本当に日本の洋菓子のレベルは高い!と、こころから思います。
ちなみにSozoの一番好きなケーキは、近所だと武蔵小山の”Patisserie de Bon Coeur”Patisserie de Bon Coeur ←テーマ違いですが、東京で5本の指に入るほど間違いなく美味しいので、貼っておきますね。
ところが、マロニエ洋菓子店のケーキは、まさに、このブログテーマにぴったり!一口食べると、Sozoが子どもの時に、クリスマスや誕生日、特別な日(父のボーナス日とか??)に食べた懐かしいーー味がします。
味そのものが懐かしいのではないです。食べるごとに、子どもの時の思い出が突然よみがえって来ます。その昔、「時をかける少女」というのがありましたが、あれはラベンダーの匂いを嗅ぐと時が遡るんだったっけか・・・。そんな感じ。
マロニエ洋菓子店のケーキはまるで、思い出の蓋をあけるトリガーです。二度と帰らない忘却の日々に包まれる心地よさを感じつつも、知らぬ間に半世紀も経ってしまったことに愕然とする・・・そんなケーキです。
しかし、何を食べても、味の思い切りのよさには、びっくりします。
なんと、パンチのあるケーキなんだろう!
こんなケーキは、今どき、食べたことがありません!
そういう意味では、決して万人が好む味ではありません。でも、それがいいのだと思います。だって、ケーキ屋は山ほどあって、みんな、個性を出すことに懸命になっているように思うからです。
※写真はラズベリーのメレンゲが乗ったパイです。視覚的にも味覚的にも、いろんな意味でガツンと来ますよ。
店主の大野さんは御年83歳。今年2014年は昭和でいうと、昭和89年ですから、まさに昭和を生きてこられた方ですね。
大野さんは、まさにマロニエ洋菓子店という屋号のような、フランス文化の香りのする方です。
秋の日の ヰ゛オロンの ためいきの ひたぶるに 身にしみて うら悲し。
ヴェルレーヌ 「落ち葉」(上田敏)
現在は、ご子息がケーキを作っていらっしゃるようです。大野さん(お父様)の作っていたケーキは、このヴェルレーヌの詩を彷彿とするような味でした。
現在は、もっとパンチのある味です。Sozoがブログの記事のお願いに訪問した時に、その話をしたら、大野さんはなにか考え込んでいらっしゃいました。
味は感覚のものですからね。お茶でさえ、淹れた人で味が違いますから、父から子へ、全く同じ味が踏襲できることはないでしょう。
Sozoはフランスに住んでいましたが、サンジェルマンの市場の前に、とても美味しい庶民的なケーキ屋があって、そこのパリブレスト(ドーナツ型のシュークリーム)は、たっぷりでパンチがあって、大好きでした。ナッツのバタークリームも生クリームも、これでもかというほど素材の味があって、それを買って市場のカフェに行き、エスプレッソと一緒にかぶりつくのが至福の時でした。
パリこそ、美味しいケーキ屋は幾千もありますが、そのケーキ屋は未だに忘れられません。今もあるかなあ??市場にケーキ屋は2軒あるうちの、汚い(ごめん)ほう。もう一度食いたいなあ・・・。
ご子息のケーキは、そこのケーキを思い出すのです!
最後に、Sozoの一番のお気に入り。ハート形のサブレクッキーで、ラズベリー、カシス、レモン味があります。特にレモンがお気に入りです。
旗の台マロニエ洋菓子店、昭和を探している方は是非、訪問してみて下さい。
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