先日書いた、河原決明 のブログの続きはどうなった?と言われ、読んでくださる方がいるんだと、心底、嬉しくなりました。
さて、八王子市の多摩森林科学園に行った帰り、最寄駅JR高尾のお土産屋で見つけた「石見銀山こおか茶」を、俺は、”いしみ銀山”が高尾にあったのだと思い込んで、買ってきたのでした。
”いわみ”に決まってるじゃん!島根だよ。ばかなの?
てか、なぜ、高尾駅に売ってんのさ?
という1人漫才の後、お茶の成分が、河原決明(カワラケツメイ)という薬草だと知りました。
こういう形状です。これは、もしかして、子どもの時に近所の原っぱにあった、さやを笛にしてピーピー吹いていた、あの雑草???
そうでした。ピーピー豆と呼んでいました。秋、豆のなるころ、見つけるたびに笛にして、ピーピーピーピー、大人からうるせー!と言われるまで、吹き続けていました。
どこにでも自生していたんですが、最近どこにもありません。調べてみると、外来種に駆逐されて、今では自生しているのが珍しいのだそうです。
さて、どんな味か飲んでみました。
ああ、また、タイムトラベルのスイッチが。
とても美味しい!香ばしくて、ちょっと甘みがあって、しかも懐かしい。
ひなたとキレイな水のイメージがあります。何だろう?どこで飲んだお茶だろう・・・?
以来、毎日やかん一杯にお茶を作って、飲みながら、ずっと思っていました。
ところで、飲み始めてから、なんとなく調子がいいのです。
さすがに高尾まで買いに行けないので、ggってみたら、結構ネットで売っています。
それが、色々名前が違うのです。こおか茶、浜茶、豆茶などなど。そして、大体、産地は島根、山口、北部九州なのです。
うーん。そうか。俺は北九州出身、山口県育ちです。だんだん、何かが繋がってきました。
ところで、河原決明は薬草ですから、効能もあります。
・整腸
・利尿
・強壮
・健胃
・鎮痰
・脂肪吸収を防ぐ
凄い!。まさに俺には必要ではないですか!調子のいいのはやっぱりそういうことかと、納得しました。
俺は、仲の良いオヤジ仲間と定期的に旅行に行くのですが、朝、歯磨きをしながらむせたりえずいたりする人がいて、毎回なので、前回、「大丈夫?死なないでよ?」と言ったら、真剣な顔で、毎朝、痰が絡むそうで、自分のおふくろも、最終的にそれが原因で亡くなったと言ってました。
それで、その人と会うとき、河原決明茶を水筒に入れて、持ってってやりました。
その時は、ふーんってな感じで、特別ありがたみもなく、飲んでましたが、次の日、興奮状態で電話がかかってきました。
曰く、この何年来、初めて、朝、全く痰が絡まなかったのだそうです。
「お茶以外考えられねえ。びっくりした。よく聞いてなかったから、名前を教えろ。すぐに譲ってくれ!」
ホントに、オヤジって人の話を聞かなくて、嫌ですね!びわ茶ですとか適当に言っちゃおうかなと思ったのですが、「カワラケツメイggrks」と教えました。
(ggrks=ぐぐれ。カスっ!)
お茶を飲みだして以来、朝のゲホゲホが、ぴたりと止まったそうです。すごいですね。自分の身体だと、気のせいかなとか思うのですが、その人はその状態を間近で見ていたので、信ぴょう性があります。
さて、うるさいオヤジは文字通りに黙ったので、懐かしい味に思いを馳せます。
俺の実家は山口県です。両親が要介護になった現在、一緒に過ごすために帰省します。実家から車で約1時間のところに、山口県美祢市があります。
と聞いても、皆さんはご存じないと思いますが、美祢市には世界的に有名なものがあるんです。
秋芳洞です。世界的に有名な割には、本当にのどかなところです。のどかというと聞こえはいいですが、要するに、観光設備も含め、何もないのです。
何もない代わりに、素晴らしい手つかずの景観があります。他にはどこにもないことだけは確かです。
秋芳洞近辺は3億年前にできた地形で、地下水系が非常に豊富で、ラムサール条約に登録されています。日本では、釧路湿原や尾瀬、琵琶湖などが登録されている、『湿地生態系と生物多様性の保全と賢明な利用を目的』とした条約です。
周辺のいたるところに、湧水が出るところがあって、その水のきれいなこと、きれいなこと。
別府と言っても美祢です。この色!加工していませんよ。素晴らしくピュアです。
弁天様の境内にある、あくまでも澄んだ湧水の池。日本に生まれて本当に良かったと思わせるどこまでも純粋な湧水です。
ここに、俺は子どものとき、親に連れられて何度も来たのでした。
何をしに来たかというと、この水を使用して、池の隣でマスの養殖をしているのです。
ここで、釣りができるのです。このように、釣り堀になっていて、釣った魚は買って帰るか、その場ですぐにさばいて、刺身と塩焼きにしてくれるのです!
何しろ、水がキレイですから、そのマスは、これがマスかと思うほどに、めちゃくちゃ美味いです。
もし、万一、秋芳洞に行くならば、ちょっと不便ですが、必ずここでマスを食べてくださいよ。
その後、生涯、語り継げるほどに、美味しいですよ。
俺が最初に行ってから、もう50年、未だにやってるのを見て、感動しました。
湧水も変わらずに、こんこんと。ミサゴ(鷹の一種)が魚を狙って飛んでいました。
で、なんでしたっけ?
そう、この今釣ったばかりのマスを調理してくれる『弁天会館』の、物凄くぞんざいな田舎風接客で出されたお茶。
河原決明でした!!!
一口飲んで、俺は、これまでのすべてのもやもやが、一気にすっきりしました。
溜飲が下がるとはまさにこのこと。
懐かしい味。澄んだ水のイメージ。ひなたの匂い。
すべてが俺の前にありました。時は流れても、変わらないものが。
それに比べて、目の前の両親は年老いて、さらに自分も年取って。
この日がまた思い出になり、遠くで思う日が訪れるとき、浮かぶものとは、湧水と、ひなたの匂いと、河原決明のあまい味なのでしょうか。
俺:「おばちゃん、このお茶、なんてお茶?」
給仕:「こりゃあ、浜茶っちゅうんよ」
俺:「美味いね」
給仕:「そうかね?このへんじゃ、よ~飲むよ」
俺:「どっかで買えるほ?」
給仕:「さあ?スーパー行きゃあ、あるんやないかね」
俺:「ここはどこで買ったん?」
給仕:「作るそいね。自分とこで。昔からずーっと、そういね」
なるほど。
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昔から飲まれてるお茶なんだね…黒豆茶は、麦茶代わりに冷蔵庫に入れて会社に行く時は水筒に入れて飲んでるよ…
あっちゃんにも良い効果があると良いね~