デパートとの食堂と言えば、みなさんそれぞれに懐かしい思い出が沢山あることでしょう。
最上階にあって、広くて景色がよくて、Aランチ、Bランチ、お子様ランチ、和洋中となんでもあって、入口のショーケースの食品サンプルをみてるだけで楽しかったですね。
俺は子どものとき、なぜかほとんどのものが食べれなかったので、デパートの食堂に行っても何も食べたいものがなくて、それよりも、屋上でソフトクリームの方がよかった。
山口県下関市には、今でも大丸デパートがありますが、子どものときは屋上から下関駅が見下ろせたので、電車好きな俺はずーっと駅をみていました。
1960-70年代の下関駅は、それはそれは栄えておりまして、山陽本線、山陰本線、九州方面行きの特急・急行電車が何本も行き来していました。
下関の次の駅は九州の門司です。
駅を出て、長ーい海底トンネルに入ると、電車が一度停電するのです。これはトンネル内だけ電流が違うせいですが、この電車の停電は、今でもじゃないかな?真っ暗になるので、知らない人はびっくりするでしょうね。
デパートの食堂の話だったのですが、みなさんそれぞれに思い出があるでしょうから、関係ないことを書いていますが、当時はまだ蒸気機関車が走っていました。
確か昭和50年(1975年)が下関駅の最後の蒸気機関車だと思います。山陰本線の下関―長門市です。
デパートの屋上で駅を見ていて下を蒸気機関車が走る時は、煙で顔が真っ黒になるんですよ!
今、街なかを蒸気機関車が走ったら、それこそ大変なことになるでしょうね。無くなってしかるべきなものが、あるんです。
屋上の金網も蒸気機関車の煙ですすけているので、何しろ毎回、顔や服を汚して、必ず怒られていました。家族でデパートへ行くというのは、よそいきを着てのお出かけでしたからね。親も汚いガキを連れて歩くわけにはいかなかったでしょう。
でも、今も一緒なんです。シミのない服がありません!
気を付けてんですけど、気がついたらシミがついている!カレーうどんなんて、あれだけ気を付けているのに、なぜか必ずシミができている。頭に来ます。
この前も、ミーティング中に、コーヒーカップから指が抜けなくて、全部ぶちまけた。
アルマーニの白シャツ・・・
俺は先生と呼ばれてるんですけどね。相手も笑えないから、かわいそうでした。
日本で初めてのデパート食堂は1903年(明治36年)、白木屋(後の東急百貨店)だそうです。
日本橋三越が、1905年元旦の新聞の全面広告で、「デパートメント宣言」をしたのが、日本で最初のデパートだといわれていますから、いわゆるデパート食堂と呼ばれるものは、日本橋三越が最初なのかもしれません。
ちなみに三越とは、呉服店の越後屋と三井財閥から1文字づつ取ったものです。今でも日本橋三越の隣には三井館がありますね。
お子様ランチも三越が最初に考案したそうです。それはもっと後の1930年です。その時の名前は「御子様洋食」。とてもガキの食い物という感じではありませんね!ちなみに「お子様ランチ」という名称は、同年、上野松坂屋が最初です。
つまりデパート食堂とは3世代が食事できる食堂で、どの世代も満足できる品揃えがあるということです。
そのデパート食堂も昭和50年代になると人気がすたれて、うらぶれた雰囲気さえ漂うようになってきました。
つまり、デパート食堂と聞いて、いま40代以上の昭和世代が思うのは、よそ行きを着てお出かけした華やかな賑わいと、すたれてうらぶれた食堂の2つのイメージが融合して、独特のノスタルジーを生んでいるのです。
現在のデパート食堂は「高級ファミレス☆☆☆」という感じでしょうか。
日本橋三越は特別食堂日本橋という名前で東京会館がやっています。新館には「ランドマーク」というファミレスがあります。
もう一つの日本橋の雄、日本橋タカシマヤは、これも日本橋三越に負けず歴史が古く、こちらは建物自体が国の重要文化財になっています。
日本橋高島屋の「特別食堂」は帝国ホテル、大和屋三玄、野田岩です。三越の特別食堂よりも、デパート食堂に近いものがありますが、そうそうたる顔ぶれですね!
帝国はともかく、野田岩は赤羽橋なので、ここのきりっとしたウナギを食べたいときは、日本橋高島屋の方が環境がいいのです。
さて、日本橋高島屋にはもう一つ、地下2階に、表題の「レストランローズ」があります。ここはまさにデパート食堂です。とにかく何でもあります。
「レストランローズ」は地下2階にあるのでアクセスもいいのです。
そもそもデパート食堂を最上階に置くのは、シャワー効果と呼ばれる、一旦客を最上階にあげておいて、順に各階を見てもらおうという経済効果を狙ったものなのですが、日本橋高島屋に至っては、そんなことをせずとも成立しているのかも知れません。
そこがまた、気に入っているところです。実はサラリーマン時代、デパートが取引先だったので、東京のデパートは、それこそ社員食堂からお得意様まで存じ上げていましたが、特に日本橋高島屋のお得意様は別格に素敵でした。
さて、レストランローズで一番気に入っているメニューはデミグラスハンバーグ御膳(定食だったかな?)
ここは某口コミサイトでは星3.0なのですが、はっきり言って、レストランローズのデミグラスハンバーグはどこのレストランのハンバーグよりも好きです。
美味しくてしかも安い。1400円くらいかな。
俺はそれにいつもミニラーメンを付けるのです(笑)
ハンバーグ定食とミニラーメン!このあり得ないコンビのランチを食べれるところがデパート食堂の真骨頂ではありませんか!?
でもね、このミニラーメンですが、高級中華風の周りの赤いチャーシューと澄んだスープに細麺で、とてもおいしくて、ここレストランローズでは俺のような、あり得ないコンビで頼むお客さんがとても多いのですよ。寿司とミニラーメンとか。
とはいえ、ここには1人では行かないので、いつも小さな椀をもらって、ミニラーメンをさらにミニミニラーメンにして食べてるのです。
サービスは忙しいのでぞんざいになりそうですが、さすが日本橋高島屋。嫌な思いをしたことは1度もありません。食器類はファミレス風ですが、これは仕方ないですね。
いつも賑わっています。客層はさすが日本橋だけあって、一般のファミレスとは一線を画しています。照明も少し落としていて、テーブル間隔も広くとっていますので、客層にあった内装になっています。
ここには、昔のデパート食堂にあった、よそ行きでお出かけするほんのちょっとした贅沢感を残しつつも、メニューには何でもありのウキウキした高揚感があり、さらにいまの時代らしく価格はファミレスの1.4倍程度。
今となってはデパート食堂の王道だと感じています。
そういう意味からして、昭和50年以前にお生まれになった方は、きっとお気に召すことと思います。
本音を言うと、某サイトの星3.0で判断して、出来れば来てほしくないです(笑)
でも俺のブログを読んで下さる方、どうせ少ないでしょうし、是非一度お出掛けになってください。その際は、是非、デミグラスハンバーグ御膳とミニラーメンをコンボでどうぞ!
これを読んでくださったオヤジたちが、みんなデミグラスハンバーグとミニラーメンを注文したら、面白いだろうなあ・・・。
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