美しいですけど、悲しいですね。
毎年、必ず、立会川が暗渠になっている舗道を散歩します。
立会川は学芸大学の碑文谷公園から旧東海道の鈴ヶ森まで続くのです。
写真は東急目黒線の西小山のあたり。ここから、行こうと思えば、ずーっと海までも川沿いを歩けます。
住宅街を流れているのでほとんど暗渠で、さらにマイナーな路線のマイナーな駅を結ぶことから、人通りも少なく、桜を眺めつつ散歩するにはとてもいい道です。
桜のしたを歩いていると、色々な思いが心をよぎります。
満開になった翌日に、もう、はらはらと散り始めてる。
- そのはかなさにふと、思い出した、美空ひばりの『さくらの唄』
- さくらの唄/COLUMBIA
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なにもかも僕は なくしたの
生きてることが つらくてならぬ
もしも僕がしんだら 友だちに
卑怯な奴と 笑われるだろう
これは、美空ひばりが1976年に出したシングル曲
『さくらの唄』 作詞 なかにし礼 作曲 三木たかしの歌詞です。
この曲は、TBSのドラマ『さくらの唄』のエンディングテーマでした。
ドラマ『さくらの唄』は、TBSの水曜劇場で、『寺内貫太郎一家』と『ムー一族』の中間くらいに放映されました。1976年5月19日から1976年11月10日の放映です。
プロデューサーは久世光彦、脚本は山田太一。実にしみじみと味のあるいいドラマでした。今はなかなか観ることができません。
キャストが素晴らしくて、若山富三郎と加藤治子の夫婦には2人の娘がいて、長女は樹木希林(当時は悠木千帆)次女は桃井かおりです。
樹木希林と桃井かおりが姉妹という、もう、それだけで、毎週必ず観てたのですが、樹木希林は恋人の子どもを妊娠していて、その恋人が三輪明宏だったという、今のお三方からは考えられない設定です。
観たくなったでしょう?(笑)
再放送されるといいですね。このお三方は大御所中の大御所ですから、無理かなあ。
などと思いつつ、はらはらと舞ってきた花びらを見上げたら、上弦の月とジュピター(木星)が並んで輝いていました。
立会川とは、鈴ヶ森が刑場だったので、「立ち別れ」の場所だったことからそう呼ばれていると言われています。
なんだか、ますます、悲しくなってきました。
桜の満開の下に立つと、静かです。花びらが音を吸収しているのでしょうか。
というよりは、静けさが舞い降りてくるようです。
おやすみを言わず ねむろうか
やさしく匂う さくらの下で
さくらの下で
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